
淡い桃色の着物を着た子ども、は今日もまた瀞霊廷内にある護廷十三隊たちの隊舎を歩いている。だが、今度は誰も邪魔をすることはなく、何故か通り過ぎていく人々に愛想よく挨拶をしてくれる。それは半分は父親である朽木白哉のコネであり、半分はいずれ護廷十三隊に入隊してほしいという山本からの期待の許可があるからだったりする。そんな何とも有名になってしまったは数回目の隊舎見学をしていた。 「みーんな、いそがしそう。」 朽木たち隊長格は勿論、平の隊員たちもせっせと動いている。最も、知らない人とは関わらないように何度も朽木に言われているので、暇そうにしている人でも知らない人には声をかけようとは思っていないのだ。もう帰ろうか、そう思っているときだった。 「?」 もう聞き慣れたような声が聞こえてきた。その声には振り向き、その声の人物の顔を見ると満面の笑みを浮かべて勢いよく飛びついた。飛びつかれた人物は短く驚きの声をあげたものの、彼女をちゃんと受け止めて、まだ小さい小さいを抱き上げた。その人物はいつも身に着けているはずの白い羽織を着ておらず黒い死覇装も着ていない。普段着のような着物を着ている彼には抱えられながら不思議そうに首を傾げた。 「としろ、きょう、ふくちがうよ。」 「あぁ、今日は非番だからな。」 「ひばん?」 「仕事休みってことだよ。」 非番である日番谷だが、昨日同じ隊の副隊長である松本乱菊に渡しておくべきものがあったのに忘れてた、ということで少しだけ顔を出して用事をたった今済ませたところだという。は、ふぅん、と声をあげると、何かに気がついたように、あ、と声をあげた。 「としろ、しごとない?」 「あぁ、休みだからな。」 「これからおひま?」 少しかしこまったように、まるでデートに誘うと若者のように言うに日番谷は小さく笑った。遠まわしに遊べと言っているに違いない。普段ならば子どもの相手など何が楽しくて非番の日(金にもならない)にしなくてはならない、と思うであろう彼だが、は別で、彼は彼女の言葉に笑みを浮かべて頷いた。彼女は、きゃあ、と喜んだ。念願の遊び相手を手に入れたはそれはもう嬉しそうだ。彼女は日番谷の腕から肩へと移動する(肩車)と誰にも聞かれることはないのだけれども彼にそっと耳打ちをした。 「きょうは、としろをひとりじめだっ。」 |