
漆黒の腰ほどまでの髪を綺麗に結い、そこには華やかな花々の髪飾りが添えられている。着物はいつも着ている淡い桃色の着物ではなく、それよりも値のはりそうな赤い色で、帯びもその着物の柄によく合っていた。いかにも正装、というような格好をしている。彼女はその姿のまま、いつもと変わらないように隊舎内を歩いている。実は彼女、今日は朽木家の親戚の者たちの集まりがあった為に使用人たちが張り切って着付けしたのである。父である朽木や(一応)叔母に当たるルキア、親戚や使用人たちに絶賛されたは上機嫌なのである。 「また来てたのか。」 別段嫌がっているわけではなく、それどころか滅多に見せないような穏やかな笑みを浮かべて日番谷は彼女に言った。は振り向いて彼を見ると、彼女もまた笑みを浮かべた。少々身長は伸びたものの、まだまだ日番谷の方が高いので見上げるような形にはなる。駆け寄ると髪飾りが小さく"シャンシャン"と音を奏でた。近くに来たを見て、思わず日番谷は口元を手で隠した。使用人が張り切っただけあって彼女はいつもよりも可愛かった。少し頬を染めながらも日番谷はを抱き上げる(まだ身長差があるので躊躇なく) 「としろ、可愛い?」 「あぁ、可愛い。」 普段ならば絶対に女性死神たちに聞かれてもそうは言わないだろう。だが、は別。彼は抱き上げ、自分の目線と合った彼女にはにかんだような笑みを見せた。彼の言葉に更にご機嫌になったは喜んで満面の笑みを浮かべて日番谷に手を伸ばした。 「としろ大スキー!」 |