
尸魂界に戻り、護廷十三隊に入隊し(半ば強制的)慣れた今日この頃。ある日の午後、は一生懸命何かに取り組んでいる。休憩時間だというのに、一生懸命に何かに取り組んでいる。いつもならお菓子を食べていたり、ソファで伸び伸びしたり、外に出てみたりと好きなことをしているというのに。日番谷も松本も不思議に思いながらもを見た。ちっこい奴がちっこい物をいじくっているようだ。またお得意の工作とやらをしているのだろうか。そう思って日番谷は静かに近付くとのぞきこんでみた。 「ルービ…何だっけな。」 「ルービックキューブですね、昔現世で流行ったやつ。」 松本も日番谷の後ろからのぞき見た(彼の身長が少し伸びたといえどまだまだ彼女の方が高い)どうやらはルービックキューブ(立方体パズル)の色を揃えようと一生懸命に取り組んでいるようだ。どうして今更それなのだろうか、彼らは考えてみるものの、ちょっと変わった考えをもつのことは考えても分かりっこないだろう。彼女はときおり苛立ちに駆られて頭をグシャグシャとしてみたり奇声を発してみたりしている。なかなかできないことに苛立っているようだ。日番谷は呆れを込めた小さな溜息をつくと、静かにの前に行き座った。 「苛立つくらいならやめりゃいいじゃねぇか。」 「ヤダ、出来ないの腹立つけど色揃ってないのも腹立つ!」 日番谷はまたも呆れを込めた小さな溜息をついた。ガチャガチャと音がする。何だか今にも壊れてしまいそうなのは気のせいだろうか。彼は無言のままの持っているルービックキューブを取って…。 「ほら、これで気が済んだだろ。」 色が綺麗に揃った、完成のルービックキューブ。それをに返して日番谷はゆっくりと立ち上がった。これで彼女も苛立たずに残りの休憩時間をのんびりと過ごせるだろう。いつも意地悪をしたり言ってしまう日番谷だが、今日はそんなこと考えなかった。の、だが…。 「ひ、日番谷のバカァー!」 完成したルービックキューブを受け取るとは今にも泣きそうな顔で叫んだ。それに驚いたのは勿論日番谷である。 「はぁ?」 「日番谷のバカアホマヌケーツンツン頭ぁー!」 ガラガラピシャン、バタバタバタバタ…。慌しい音をたてながらは半泣き状態で執務室を出て行ってしまった。一体何なんだ、そう思いながら日番谷は松本に意見を求めるように視線を向けた。彼女は可笑しそうに笑っている。どうやら彼女にはがどうして怒ったのか分かっているようである。日番谷の視線に気づいた松本は笑うのをやっとやめて口を開いた。 「自分がなかなか出来ないのを隊長があっさりやってのけてしまったから、ちゃんは怒っちゃったんですよ。」 「色揃ってないの腹立つ言ったじゃねぇか、今回俺は悪いことをした憶えはまったくもってねぇぞ、善意だ。」 松本は今度はムッとした表情を浮かべる日番谷に対して笑いがこみあげてきた。どうしてこの二人はこんなにも凸凹なんだろうか。今頃は何だかんだで面倒見のいい檜佐木にでも愚痴をはいているのだろう。 「隊長って、ちゃんのこと好きなのに分かってませんねぇ。」 |