
「はーい、皆分かったと思うけど、人見知りのだ。」 「…、で、す。」 人見知りの、ってどんな紹介だ。俺はどうにか自分の席につかせてもらって(俺の裾を掴むを何とか説得した)頬杖をつきながら一番後ろの席からあいつを見た。やはり緊張しているのだろう、頬がほのかに染まっている。頑張れよ、と思いながら俺は何だか雛鳥を見守る親鳥のような気分で自己紹介を聞く。 「可愛いー、何かシャイだねー!」 突然声をあげたのは隣の席にいる、浅野…啓吾だったか。いつも何かがあれば大きな声を出す、何とも傍迷惑な奴だ(俺としては)そいつがに叫ぶように話しかけたものだから、はビクリとして少し顔を俯けてしまった。つぅか初対面でこいつを怖がらせるんじゃねぇよ、後々まで響くぞ?そんな俺の心情は知らずだろうけど、越智センセが何やら思い浮かんだようでポンと手を打った。 「お前いつも煩いから前の席に来い。」 「え、えぇー!?そりゃないっスよセンセー!」 「は日番谷の隣の方がいいだろ、な、保護者!」 突然話が自分に向けられた。何を言うのかと思えば…確かに要見守りのような状態だが、俺、保護者になってたのかよ。俺は返答に困って何も言えない状態だった。だが、既に決定済みらしい、文句を言っている浅野は笑われながら前の席へと移動、が俺の隣の席へと歩いてくる。途中で女子に話しかけられて戸惑いながらもペコリと頭を下げている。どうやら本人に頑張る気はあるようだ。少しずつ打ち解けていけるだろう。俺は隣にやって来たに、頑張ったな、と小声で言った(まさに親だろ、俺) 「うん!」 一瞬驚いたようにはキョトンとしていたが、次の瞬間はにかんだような笑みを浮かべた。不意な出来事だったからか、何だか一瞬息が止まってしまったような感じがした。なぜか顔を合わせていられなくて、俺から先に顔を逸らした。丁度よくSHR終了のチャイムが鳴った。委員長の声で起立、礼、十五分間の休み時間になる。 「私は朽木ルキアだ、よろしくな。」 「よ、よろしく、お願いします…朽木さん。」 「堅苦しいぞ、ルキアでいい。」 「え、えと。」 の反対隣の朽木が早速話しかけている。口調は独特ではあるが、俺から見ても悪い奴ではないと思う。俺もこいつとはたまに喋ることがあるが。 「ルキアを怖がってんじゃねぇの?」 「た、たわけ、私が怖いはずないだろうが!」 「お前、一方的だからなー昔から。」 今度はの前の席の黒崎が話に入ってきた。こいつは俺と同じサッカー部のメンバーだから、このクラスでは一番話をする奴だと思う。実際はどうだか知らないが。そしてこいつは朽木の幼馴染だ、A組にいる阿散井もこいつらと幼馴染らしい。は何か俺に意見を求めるような目で見てくる。俺は口パクで、頑張れ、と伝える。小学一年まで友達は多かった奴だ、頑張れば今でも沢山できるだろう。俺と違って(俺は友好範囲が狭い、らしい)は一瞬眉を寄せたが(覚悟を決めたのだろうか)頷いて前を向いた。 「よろしく。」 「私は一護のように目つきが悪くないぞ!」 「うるせぇ、俺のは生まれつきだ、どうにもなんねぇ!」 「よろしく、ルキアちゃん!」 振り絞ったような、本当ににしては大きな声、いつもの声の三倍くらいの声が出た。瞬間、クラスはシーンと静まり返り、それには慌てたように周囲をキョロキョロと見た。その後、自分が物凄く目立ってしまったことに気がついて小さな悲鳴をあげて両手で顔を押さえて机に伏してしまう。もう、遅いっての。 「ぷっ…あはははは、おもしれぇ奴!」 「ふ、笑いすぎだぞ一護!」 こいつらだけじゃなくて他の奴らも可笑しそうに笑っている。俺から見ても嫌味な笑い方じゃなくて、純粋に可笑しそうに。つぅかタイミング良すぎだろ、めちゃめちゃ目立ってるじゃねぇか。俺も笑いたかったが、どうにかこうにか我慢をする。 「私、お前のこと好きだな、よろしく。」 「あ、ありがとう。」 「俺は黒崎一護、よろしくな。」 「う、うん!」 少しずつの周囲に人が集まっていく。相変わらず緊張しているようだったが、このままいけば、俺が思っているよりも早く人見知りはなくなるかもしれない。そう思いながらも俺は不思議な気持ちでを見た。俺の方を向いてきたから、俺はまたも口パクで、頑張ったな、て伝えた。はそれにまた頷いて、ふわりとまた、一瞬だけ笑った。 |