を十番隊の隊員に任ずる。」

「…。」



無視だ。自分の意思など無視だ。と、は思った。尸魂界に連れ戻されてすぐ、日番谷は彼女を早々に総隊長である山本のもとに連れて行った(事前に連絡をしていたので物事は早かった)目の前にいる一見ご老体。いつものならば勢いで口を出すはずなのであるが、それもできなかった。それというのも…。




















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「十番隊隊長日番谷冬獅郎、参りました。」

「…入りなさい。」



通されたのは一番隊。は周囲を見渡しながらも日番谷に手を引かれて中に入った。中には椅子に座った老人、に見える人物とその横に一人の男が立っていた。日番谷はその老人を見ると片膝をつけて頭を下げた。だが、相手がどのような人物なのか全然分からないはただそこに立ってボーっと未だに周囲を見ていた。彼女は空気を読めないのではない、読もうと思っていないのである。日番谷は眉を寄せ、の手を引っ張った。突然の出来事に彼女は両膝をついてしまった。



「良い良い。して、この娘が例の娘か?」

「はい、、現世でメノスを倒しました。」

「一体何の話だ?」

「だから、お前は空気を読めっ!」



若干怒鳴りの入った声には拗ねたような表情を浮かべた。空気を読む気がないのだから、そう言われてもしょうがない。でも、一応黙っておく気にはなったようだ。総隊長である山本は自分のひげを触りながら、愉快そうに笑った。その声で初めては山本の方を見た。そして、目を見開き、無意識のうちに腰をあげた。



「ジィちゃん!」



これには日番谷も山本も、一番隊の副隊長である雀部も目を見開いたようだった。は口早に何かを言ったかと思うと物凄い速さで山本に飛びついたのだ。その動きは紛れもなく瞬歩、というしかなかった。瞬きを数回する雀部をよそに、は一生懸命に山本に抱きついているではないか。やっと正気を取り戻した日番谷は慌てて彼女を引きはがそうと動いた。だが、はそう簡単にははがれてくれそうにない。



「ジィちゃんどうして、虚に食べられたはずなのに、私虚が消えたときに空にのぼっていくジィちゃん見たのに!」



彼女はボロボロと涙を零しながら一生懸命に言葉を紡いでいる。今度は泣きそうな、とか曖昧なものではない、彼女は誰がどう見ても泣いていると断定できるくらいおお泣きをしているのだ。日番谷はそれを見て、思わず手を放してしまった。"ジィちゃんの仇は、とらせてもらう"あのときの言葉の意味がやっと分かった。どうして彼女があの虚にあれだけ執着していたのか、その理由がやっと分かった。言葉を失った日番谷の代わりに、山本はそっとの肩に触れ、彼女の手をゆっくりと放させた。



「わしはおぬしの言っておるジィちゃんではないぞ。」



静かに告げられた言葉には、え、と短い声をあげた。確かに、よく見ると自分の知っている人物とは全然違うのである。彼のひげを触りながら笑う癖が、重なって見えてしまっただけなのだ。は唇を噛んで顔を少し俯けた。当たり前のことなのだ。普通の人間であった"ジィちゃん"が尸魂界の総隊長なんぞをしているはずがない。ただ、思い出になるにしては期間がまだそれだけ経っていない。涙を無理矢理拭き取ったの頭を、山本はそっと撫でた。



…と、言ったな、おぬし、虚に食われた魂を…。」

「…見ることができる。」



は静かに言った。虚を倒したときに浅く礼をするのは、虚に向けてではなく、食べられた魂に向けてのことだった。



「じゃあ、あの虚にやられた五人の死神の!」

「安心しろ、ジィちゃんの魂と一緒に空にのぼってった。」

「お前…本当に…。」



虚の感知、あの霊力、そして食べられた魂さえも見ることのできる不思議な力。日番谷は驚嘆の表情でを見た。現世に行くまでは流魂街で必死に生きてきた人間だとは思えないほどの能力。それは異質。思わず日番谷は、崩玉の件が五年前に済んでいたことにホッとした。こんな力を持っている者がいると知ったなら、当然のことながら藍染は黙っていなかっただろう。山本は再びひげを触りながらの頭を撫でた。



「大事な者を失うのは辛かったじゃろ、頑張ったな。」

「…うん。」

「おぬしと会ったのも何かの縁じゃろう、さえよければ、わしのことを"ジィちゃん"と呼んでも良いぞ。」

「総隊長!」



それでは何の示しもつかないではないか、というように二人は見たが、山本はを見て穏やかに笑っているだけだった。はその言葉に表情をパァッと明るくして二、三度頷いた。



「して、その"ジィちゃん"の頼み事を聞いてもらえぬか?」




















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と、いう具合で初めに繋がるのである。亀の甲より年の功、とはよく言ったものだ。日番谷は改めて、別の意味で山本の凄さを痛感したのだった。そして、晴れて(本人は不本意)十番隊隊員となったは嫌がっていたが、最後には日番谷に担がれて十番隊舎へと連れて行かれてしまったわけなのである。



「つぅわけで新入隊員だ。」

「…何か、拗ねてますよ、この子。」

「気にすんな、こいつはガキだからな。」

「私がガキならお前もガキだろ!」



うわ、この子隊長に言い返したわ。十番隊副隊長である松本は驚嘆の表情を浮かべた。見た目はまだまだ少年と呼べるようなものだが、彼は恐れ多い隊長の一人である(と思いつつも彼女が隊長を敬っているような態度をとっているのかと聞かれれば周囲の者はすんなりとは頷けない)目の前で繰り広げられた若干一方的に思えるようなケンカを眺めながら松本は可笑しそうに笑った。



「で、この子、隊舎寮に入るんですよね。」



早く言ってくれないと掃除できてないんですけど。と、松本は言おうとしていたが、それより先に日番谷が首を振った。隊舎寮に入らないならば、何処に住むというのだろうか。もしかして、総隊長のところだろうか。松本は首を傾げたが、日番谷はひょうひょうと答えた。



「色々と心配だから、こいつ俺ん家に住まわせる。」



えーっと声が上がったのは、松本よりも先にだった、ということは言うまでもないことなのかもしれない。死神もどきから死神になってしまった少女の、長い長いある意味刺激のある死神生活の始まり、始まり、で、ある。























コメント

マイクラブライフの設定。
@夢主は虚に食べられた魂も見える
A夢主は相手が誰であれ敬語を使わない(でもOK)
B夢主は隊長と同じ屋根の下
C夢主は基本的にやられキャラ
D夢主は誰からも愛されるキャラであれ

と、いうわけです。
この"本編に入る前のお話"で、
少なくとも@とBを入れてみました。
あとはシリーズ本編にて。

この後、夢主は十番隊の特別補佐に就きます。
と、いうか就かされます。
主に隊長副隊長のアシスト、というわけです。
無理矢理な設定ですが、夢話だから!