- vol.2 2人に生じた対極の異変 -

















空座第一高等学校
午前10時43分



「一護ちゃん、おそよう。」

「…うぉ!」

「今日はとてつもない遅刻ですね、どしたの?」



教室のドアの前で、は黒崎に話しかけた。
突然現れた彼女に彼は驚いたようだが。
すぐに顔を戻して、ひとつ溜息をついた。
彼が遅刻してきた理由。
それは…。



「あいつ怪我したのそれとも死ん…ボスッ

「でねえよ。」



あ、と声をあげたのも遅く。
の左手は空を斬った(彼を止めようとしていた様子)
鞄をぶつけられた有沢は頭を押さえつつ黒崎を見た。
どうやら彼に外傷はなさそうだ。
その代わり、不機嫌そうにそちらを見ている。
彼が遅刻をしてきた理由。
なんでも、夜にトラックが家に突っ込んできたらしい。



「ウチの連中は全員無傷だ、残念だったな。」

「黒崎くん!ちゃんも。」

「来たんだね、家の修理手伝ってたの?」

「まあな、3限は?」



井上に続いて話しかけてきたのはクラスメートの1人。
小島水色という少年だった。
彼は黒崎の前の席であり、彼とも結構親しい。
また、黒崎の後ろの席がの席でもある。
ガタッと音をたてて椅子に座ったときだった。



「貴様…貴方が黒崎くん?」



聞いたことあるような声が聞こえた。
黒崎はゆっくりと横を向く。



「よろしく!」



視線の先は転入生の少女。
彼女を見たとき、彼の時間が止まった。
妙な空気がそこには流れていたが、何故どうしてそんな空気が流れるのか全然分からないだった。
加えて、本人、そこまで気にしてなさそうである。
"まぁいっか"みたいな感じ。
転入生の"朽木ルキア"と黒崎が教室から出て行っても。
その辺は同じだった。
そんな事よりは、と、彼女は窓から外を見た。
彼女は彼女で異変が起きていた。
黒崎一護とは丁度、逆の異変が…。



「霊感がなくなった!?」



転入生と教室に帰ってきたとき。
今度は2人が抜けて屋上へと向かった。
屋上で発せられたの言葉に、彼は驚いていた。
それもそのはず。
彼女は、黒崎に負けない程の霊感の持ち主だった。



「うん、全然見えなくなったし、感じなくなったし。」

「そっか…まぁ、それならそれでいいんじゃないか?」



普通の人間に霊は見えない。
彼らは普通ではない、という事。
しかし、これで彼女が"普通"になったのなら。
それはそれでいいのではないか、と彼は思った。



「これで身長が伸びたらな。」

「そ、それは余計な一言ですよっ!」

「(そっか、だから昨日の出来事にも気づかなかったのか)」

「一護ちゃん?」



彼に起こった異変に。
彼女はまだ気づいていない。
確実に回り始める歯車。
それは。
予定通りか、予定外か。




















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じわりじわりと侵蝕していく異変。
黒崎ももお互いの異変には気づかない。
そして時は過ぎていった。
彼らは少しだけ、距離が出来ていた。
いや、それはやや一方的だったのかもしれない。
黒崎は確実に、それでいて自然に、距離を空けていた。



「石田雨竜、滅却師…僕は死神を憎む。」



月が明るさを帯びてくる。
空は闇を帯びていく。
その下に立つ、3つの人影。
1人は黒崎であり、1人は朽木であり。
そして、もう1人は彼らと同じクラスの男子生徒。
黒崎の格好は死覇装であり、その手には刀があった。
死神である朽木の力を得た黒崎は死神となった。
その刀は…斬魄刀<ざんぱくとう>
そこには。
彼らの他、誰もいない。



運命の歯車は回る。

ぐるぐると。

しかし。

音はたてずに。

静かに。

静かに。





「3位かー相変わらずやるねぇあんた。」

「えへへー。」

「それに比べて今回はどうしたの。」



場所も日時も変わり、此処は学校。
貼りだされているのは期末考査上位成績者表。
有沢は井上の頭を撫でた。
彼女らの頭より視線を随分と下げればが見える。
彼女はヘラッと笑った。
の順位は、22位だったりする。
決して悪くはない。
しかし、彼女の前回の順位は2位だったりする。



「数学と英語の解答欄、途中から間違えちゃった。」

「アホかっ!」



たつきに怒鳴られつつもは笑っている。
そんな彼女の視界に入ったのは、黒崎だった。
彼女は彼の後ろまで行った。
何やら彼は考えているようだ。



「石田…えーっと…ウイリー…?違うな。」



これじゃ売れない芸人だ、なんて。
何を言っているのだろう。
そう思いながらも彼女は首を傾げた。



「ウォーリー?これじゃ永遠に探し出せねぇ…。」

「石田愁<うれい>くん?」

「違うよちゃん、石田雨竜くんだよ。」



黒崎と同時にも驚いた。
まさか自分の後ろに井上がいるとは思わなかった。
そんな事は露知らず、彼女は成績表を指差した。
なんと、1位に石田の名前があるではないか。



「ね?3組<うちのクラス>でしょ。」

「駄目よ織姫、こいつ人の顔と名前全然憶えらんないんだから、多分まだクラスの半分も憶えてないわよ。」

「それはいけませんよ、一護ちゃん。」

「アンタもデタラメに名前憶えてんじゃん。」



有沢のキツイツッコミに思わずは黒崎に隠れた。



「ねぇねぇ、黒崎くん、石田くんと何かあったの?」

「イヤ…大した事じゃないよ。」



























大した事、

大してない事、

はっきりするのは、

後々。






[ 実は対極に見えて対極ではないのやも ]



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ヒーロー出番なし。
ほんと、すみません。
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