- vol.36 それぞれの強い想い -

















護廷十三隊各隊隊長及び副隊長、副隊長代理各位
そして旅禍の皆さん
こちらは四番隊副隊長虎徹勇音です




瀞霊廷内の一部の者達に伝えられた伝令。
彼女が紡ぐ言葉に彼らは呆然とした。
それは万が一にも想定していなかった真実だった。
その伝令を聞き、山本と対峙していた京楽、護廷十三隊隊長の浮竹らは斬魄刀を鞘におさめた。
吉良との戦いを終わらせた松本は急いで向かう。
他の者達も各々思うところへと急いだ。
伝令は旅禍である黒崎達にも勿論聞こえた。



「いきなりそんなこと言われてもワケわかんねーよ。」



突然の事実に黒崎は頭がついていかない。
四番隊と直接関わっていない井上には声すら聞こえない。
接触がなかった為、霊圧を捕捉出来なかったのだろう。



「大体瀞霊廷内の揉め事じゃねぇか。」



俺達に言ってどうするんだ、という黒崎に、石田は少々考えるような表情を浮かべた。
が、すぐにその顔をあげた。
瀞霊廷内の揉め事でも、自分達にまで伝えてくるのだから意味がないわけではないのだろう。



「言うべきだと判断したから言ったんだろう。」

「あ?」

「中央四十六室、話の流れから見て瀞霊廷の最高司法機関と見ていいだろう。それを全滅させ、自分の目的を恰<あたか>も四十六室の決定であるかのように見せかけて遂行しようとしていたのなら…その目的とは何だ?」

「…処刑…か?」



石田の言葉に、戸惑いながらも岩鷲が答えた。
そう、処刑だ。
彼らが尸魂界に侵入してから早まっていく処刑。
それはあまりにも可笑し過ぎる。
刑の重さ、刑の早まり。
それはも常々思い、書籍で調べた程だった。
石田は話を続ける。



「五番隊隊長藍染惣右介…
 彼の目的こそが朽木さんの殺害なんだ!



彼の言葉に黒崎はハッとして双極の丘を見上げた。
"ルキアちゃんの処刑…迫ってる"
"ルキアちゃんを助けて…お願い…"
彼女の悲痛の声が聞こえた気がした。
あのとき、彼女はどれだけ傷ついていたのだろう。
どれだけ…。
黒崎は唇を噛んだ。



「急ぐぞ!」

「ちょっ、待て一護、お前傷は…!」

「そんな場合じゃねぇ!」




















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「…何?」

「断る…と言ったんです藍染隊長。」



達の前から姿を消した藍染と市丸は双極にいた。
そして、そこには護廷十三隊九番隊隊長である東仙も。
藍染の狙いは石田の言うようにルキアであり、彼は彼女を抱えている阿散井に彼女を置いて下がるよう告げた。
だが、彼の答えは"否"だった。



「いいよ、ギン。」



斬魄刀を鞘から抜こうとしていた市丸に制止の言葉をかけ、藍染は口の端を上げた。
一歩、二歩と彼らに歩み寄る。
そして自分の斬魄刀を鞘から抜いた。
藍染の霊圧が上がる。



「君は強情だからね。朽木ルキアだけ置いて退がるのが嫌だと言うなら仕方無い…腕ごと置いて退がりたまえ。」



笑みを浮かべたまま残酷な言葉を紡ぐ。
まるで彼のその冷たい笑みのような冷たい風が吹く。
阿散井は額から一筋の汗を伝わせる。
そんな彼を変わらず笑みを浮かべたまま、藍染は見えないような速さで斬魄刀を振り下ろした。



「…れ…恋次…!」