
とりあえず。 強く抵抗の言葉を言ってみたものの。 どうするべきか、彼女は悩んだ。 後悔先に立たず、とまではいかないものの…。 そんなときだった。 「丸腰の女の子相手に武器を持った男が2人がかり。」 阿散井めがけて矢が放たれる。 現れたのは、買い物袋を持った、石田。 滅却師の弓が手にある。 「何者だ、てめぇ…。」 「ただのクラスメートだよ、死神嫌いのね。」 「石田くん…私も嫌いなの?」 「え、いや…その…。」 子犬のような目で見られ、たじろぐ石田。 ルキアはの頭をペシリと叩いた。 今はそんな場合でもなかろうに。 しかし、流石のでも息を呑んだ。 一瞬の出来事だった。 目の前には石田が地に伏している。 「さて…そんじゃトドメといっとくか。」 石田は決して弱いわけではない。 そこらの虚は滅却出来るだけの力。 滅却師としての力は十分に持っている。 しかし、阿散井は"強"かった。 斬魄刀が振り上げられる。 「憶えとけよ、阿散井恋次…てめぇを殺した男の名だ。」 「…っ、石田くん!」 「や、やめろッ!」 ルキアの手も届かず。 は凄い勢いで石田の元へと辿り着き、彼を庇うように前に立ちはばかった。 一瞬の出来事で、ヤバイと思うものの阿散井は斬魄刀を止めることも出来ない。 はきつく目を瞑った。 しかし。 衝撃は来なかった。 ドドン 突然、阿散井の足元が揺れた。 そして足場が崩れる。 派手に地面が割れた。 「何だ、てめーは!?」 「黒崎一護!てめーを倒す男だ、よろしく!」 そう阿散井に言うと、黒崎は視線を落とした。 そして刀の柄の先での頭を軽く叩く。 「ばぁか、お前は俺の度肝を抜く気か。」 「それも楽しそう。」 「ボケ。」 黒崎はの首根っこをつまむと、ルキアの方へ"ぽいっ"と効果音がつきそうに放り投げた。 何やらが文句を言っているようだが。 それは全くもって気にしていないようだ。 「てめぇが…ルキアから力を奪った人間かよ…!」 「だったらどうするってんだ?」 斬魄刀と斬魄刀がかち合う音。 押されていく黒崎。 死神なりたての彼と阿散井ではレベルが違う。 それはにもハッキリと分かった。 ぎゅっと、強く拳を握った。 ブシッ 斬られた肩から血が噴出す。 黒崎は斬られた肩を押さえた。 は堪らず足を踏み出そうとする。 が、今度こそはルキアに止められてしまった。 「終わりだな。てめーは死んで力はルキアへ帰る。そしてルキアは尸魂界で死ぬんだ。ついでにそこの女は尸魂界へ連行ってわけだ。」 長々と話す阿散井の顎に一筋の傷が出来た。 油断をしていたのもある。 が、黒崎の動きが一瞬速くなったのもある。 阿散井は朽木から大虚に太刀傷を負わせたのが黒崎である事を聞き、大笑いをした。 大虚…王族特務の管轄。 それ程までに強い虚。 にわか死神に追い払えるはずもない、と。 「その斬魄刀はなんて名だ!?」 「無ぇよそんなもん!名前なんかつけんのかてめーは。」 「…斬魄刀に名も聞けねぇ、そんな野郎が俺と対等に戦おうなんて…二千年早ぇぇよ!」 阿散井の斬魄刀が形状を変える。 「咆えろ蛇尾丸!目の前にあるのは…てめぇの餌だ!」 大きなダメージを喰らう。 今度こそ、絶体絶命のピンチだ。 もルキアもそう思った。 だからこそ、彼女らも動かずにはいかなかった。 逃げて。 生き延びて。 死んでは、駄目だ。 先程までを止めていたルキアも我を失っていた。 とにかく、死ぬな、と。 ド ン ッ 先程までの黒崎とは違う。 スピードも威力も。 斬魄刀を構え、彼は口の端を上げた。 霊圧が異様に高くなっている。 阿散井は眉を寄せた。 「何でだかよく分かんねーけど、いい気分だ!今! 傷の痛みもねぇ!テメーに負ける気も全然しねぇ!」 |