
阿部隆也くん。 県立西浦高校一年生。 身長170cm体重55kg 家族構成は、えっと、確か父、母、弟。 野球部で捕手。 そして、私の大好きな人です! 「何書いてんだ、。」 「阿部くんメモ。」 何だそれ、と阿部くんは苦笑いを浮かべた。 どうやら練習は一時休憩になったらしい。 部員覚えるために色々メモしようと思っていたのに。 気がつけば阿部くんメモになってしまっていた。 あぁ、また百枝監督の(痛くないけど)拳骨をくらっちゃう? (これじゃあ遊んでるのと変わらないかも) 「…見して。」 「だ、ダメ!」 うわぁ、見せてって言われるとは思わなかった。 大したこと書いてない上に最後のはヤバイ。 私はメモを必死になって守る。 「何で。」 「な、何でも!」 「…俺、見たいんだけど。」 「うん、でもダメ。」 笑って誤魔化してみようか。 にこーって…ダメ? 阿部くんは少したじろいだけど。 やっぱり見たいらしい。 あー、私のばか、ばか、ばか。 何でこんなの書いちゃったんだろ。 負けて下さい、阿部くん! 「…。」 名前を呼ばれて顔をあげたら。 阿部くんの顔が近付いてきた。 え、え、え? そして、耳元で言われる。 "見せて" うわぁん、反則だよ阿部くん! 私の力が抜けちゃったのが分かったのだろう。 阿部くんはヒョイと取ってそれを見た。 (結局負けたのは私です…) 次の瞬間、阿部くんの顔がほのかに染まってしまった。 「知ってるけど…書かれると、照れる。」 「う、ううううん、ごめんね?」 お互いに顔を赤く染めて。 ちょっと沈黙。 口を開こうかな、って思ったとき集合がかかる。 阿部くんは返事をして。 それから私の頭に手をのせて、クシャクシャって撫でた。 そして…。 「俺も。」 そう言うと阿部くんは走って行ってしまった。 俺も…だって。 カレカノなのに照れてしまうよ阿部くん。 えへへ。 私は一人笑って撫でられたところを触った。 温もりなんて残ってないのに。 何だか温かい気がした。 「阿部ぇ、イチャついてんなよ!」 「ばっ、イチャついてねぇよ!」 グラウンドに響く阿部くんの声。 いつも聞いているのに、聞き飽きない。 (内容に私が含まれてるから恥ずかしいけど) いつまでも髪を触っている私が。 千代に不思議そうに見られていることに気がつくまで。 あと三分。 |