の第一印象は、女らしくない女、だったりする。だってホラ、男にまじって顔を泥だらけにして平然と笑ってるんだぜ?監督に許可もらうと目をキラッキラさせてバットを握るし。そのうち俺は、が男っぽい女なのか、女っぽい男なのかさえも分からなくなってきたような気がする。そんなと久しぶりに会ったとき、俺はガツンと殴られたような衝撃を受けた。だって、あのときとは比べ物にならねーくらい、なんか、可愛い女になってんだもんな! 「榛名サン、サンタがいましたよ、サンタ!」 「わぁったから、ちょっと落ち着け。」 12月25日、世間を騒がすクリスマス。俺はと街に出ていたりする(ほら、こーゆーイベントってコイビトにとって大事なんだろ?)私服で可愛いカッコしてんのに、小さいガキみたいに偽者のサンタクロースなるものを見つけて、キャッキャと喜んでる(可愛いけど)少しでも目を離したら人ごみに紛れていなくなってるような気がしたので俺は慌てての手をとった。体がちっせーだけに人ごみにのみこまれると厄介だろうな、ホント。つーか、バッティングセンターに行ったと思えば次はサンタかよ。つくづくお前には色気ってもんがねぇなぁ。 「あ、ほら、手振ってる!」 「わぁった、わぁった。」 俺は決して手を振ったりはしないが、は空いてる左手でエセサンタに手を振っていたりする(あのエセサンタに男が入ってると思うと、なんかムカつくんだけど) 「ほら、バッティングセンター行った後は飯だろ。」 「はぁい!」 はにこにこと笑って頷いた。クリスマスの日にデートに誘って出かけるものになったものの、に行きたいところを聞けば、返ってきたのはナント、バッティングセンター、だったりする(このバッティングバカ!)まぁそれがらしいっちゃあ、らしい。恋人ムード抜群な場所をが行きたいといったら、それはそれで驚くに違いない。俺としては、それはそれで嬉しかったりするんだろうけどな。パスタが食べたい、とが言ったので、俺たちは駅の近くにある店に今向かってる最中だ。 「榛名サン、この公園抜けると近道ですよー。」 「お前、妙なこと知ってんだな。」 に言われるまま公園を抜けることにした。なかなか大きな公園で、休みの日なら子ども連れがけっこーいたりする。だが、今は夜だから子ども連れは一人もいない。夜の公園ってのは、けっこー不気味なもんだな(別に怖くねーけど)それでもはサクサク進んでいる。こいつ、もしかしてお化け屋敷とかも笑ってサクサク進めるタイプか?(それってなんか面白くねぇんだけど)そんなことを思いながら歩いていると、急にの足がとまった。何事だ?俺は不思議に思っての目線を追うと…なるほど。 「(夜の公園ってのはある意味危険だな)」 は目をパチパチさせている、それも仕方のない話だ。数メートル先のベンチに座ってどっかのカップルがキスなんかしてたりするもんだから。そりゃあ、夜の公園ってのは人通りが少ないし、ある意味もってこい、みたいなんかもしれない(でも、とりあえずはウゼーぞ、お前ら)未だ目をパチパチさせているの頭を軽くたたいて正気に戻す。正気には戻ったようだが、ショックは受けたのかは苦笑いをしながら俺を見ている(平然を装っているつもりだろうけど、ぜんぜん装いきれてねぇよ、ばぁか)でも、そんながなんか面白くて、可愛くて、俺はあることを思いついて手を引いた。 「榛名サン?」 「なぁ、俺にキスしろよ。」 「はい?」 「もちろん、口にだぞ。」 突然の俺の言葉にはまたも目をパチパチさせた(なにこのイキモノ、マジ可愛いんだけど) 「もしくは俺にキスされるか、どっちがいい?」 「えーっと、榛名サン?」 人通りのない夜の公園(あのイチャつきカップルはのぞく)このシチュエーションはナンカおいしい。俺は自分の口元が緩んでいるのが分かるが、暗いのでそれはには見えないのでそのままにしておいた(俺からは見える)うー、とうなるを気にせず、俺はグィと腕を引っ張った。 「さぁ、ドウスル?」 「き、き、き、キスしまぁす!」 一気に捲くし立てるように、かつ、上層部に従う部下のようには言った(俺、そんなに極悪そうな口調だったか?)目の前で今にも目をまわしそうな可愛い奴を見て、俺はますます口の端をあげてしまう。これは脅しになるのか?いや、怒鳴ったりしてねぇからならねーよな!俺は見えないようにガッツポーズをしてから、とりあえずはの腕から手を放した。ちょっとの間顔を俯けていたは、意を決したように顔をあげると、目を瞑っててください、と可愛いことを言った(顔は見たいけど、よっし、ここは素直に瞑ってやる!)俺は目を瞑ってそのときを待った。 ふにっ 「?????」 「・・・・・」 確かに口になんか柔らかいものは当たったが、変な感じがした。柔らかいのは柔らかい、でも、なんつーか、柔らかすぎるような気が…。俺は目の前で苦笑いを浮かべながら両手を後ろにまわしているを見る。一生懸命に何かを誤魔化そうと笑っていたりするが(可愛いけど)ぜんぜん隠しきれていないと思う。だいたい、はウソをつくのが下手くそだ! 「おい、後ろに隠してるもん出せよ?」 「か、隠してません!」 だからバレバレだっつの。俺は溜息を一回ついて、の背中に手を伸ばした。は一生懸命に隠し通そうと俺の手を避けた、つもりだったらしいが、その手はアッサリと拘束できてしまったりする。手を引っ張って前に出させると、そこにはなぜだか手の平サイズのマヌケ顔のアヒルのオモチャがあったりする。…なんでアヒル? 「…お前、もしかしてコレを。」 「あ、ははは、違いますよー。」 何が違うんだよ。そう言って満面の笑みを浮かべてみせてやると、は、ごめんなさい、と謝った(だから前から言ってるだろ、素直すぎるお前にウソはつけないって)まったく、呆れるこった。こんなアヒルの人形(のクチバシ)にキスさせるとは…。呆れて怒る気にもならねぇ。だいたい、そんな発想がありえねぇし。俺はの手からアヒルを奪うとポイと投げてやった。あー、と声をあげたが、その声は長く続かないだろう。だってな…。 「約束破りには罰を与えるぞ。」 |