季節の変わり目は風邪をひきやすいという。
あたしも例外ではなく。
今、まさに風邪を自覚したところだったりする。
保健室で熱をはかるとなかなかの温度。
保健室の先生に言われてとりあえず休むことにした。
授業に出なさいと言われても困るけれど。
(だってあと一時間もしたら学校終わるし)



「うん、さっきより下がってる。」

「ふぃー、じゃあ帰りますー。」



微熱になったのでいそいそと帰り支度をする。
放課後に入って一時間が経ったので教室には誰もいない。
思っていたよりも寝てしまっていたなぁ。
まだクラクラする頭をときおりおさえながら、
あたしはカバンの中に教科書やら何やらを入れた。
部活はミーティングがあるけど…。
休むことをクラスメートに伝えてもらっているから大丈夫。
よいしょ、とカバンを持つと、熱の所為か重たく感じた。
(資料集と教科書は置いて帰ろうっと)
少し軽くしてからあたしはもう一度カバンを持った。



「おい、大丈夫なのかよー。」



歩いていたら背後から誰かに言われた。
聞き覚えのあるのも当たり前。
ちょっとハッキリしない頭でも誰だか分かる。
だって同じクラスで、同じ部活の人だもん。
(部活っていっても、部員とマネージャーだけど)
利央は慌てて駆け寄ってきてくれた。



「だいじょーぶ、熱、下がったもん(ちょっと)」

「でも顔、赤いし。」



必死に心配してくれるの嬉しいなぁ。
へらっと笑ってみせると、溜息をつかれた(何で!)
どうやら野球部のミーティングは終わったみたいだ。
次々と人が歩いてきた。



「おーい、、大丈夫なのか?」



またもや背後から声をかけられる。
この声も知ってる。
準サンは利央と同じように慌てて駆け寄ってきてくれた。
和さんや慎吾さんもこっちに来てくれた。
みんな心配してくれてありがとー。



「はい、だいじょーぶです。」

「いや、顔、あけぇし。」

「準太の言う通りだぞ、熱は何度だ?」

「…さっきはかったら37.5でした。」



これって微熱の域でしょう。
そう聞いたら和さんは少し眉を寄せた。
みんなが心配してくれてるので、やっぱり嬉しい。
あたしはまた、へらっと笑う。
そしたら利央のときのようにやっぱり溜息をつかれた。



「あのな、辛いときには笑わなくていいんだぞ。」

「俺も和さんと同意見。」

「つーか、、アホ。」

「…慎吾さん、容赦ないです…うぅ。」



こっちは病院…間違えた、病人なのに…。
頑張って少したたいてやろうと思って拳を振り上げる。
と、一生懸命に背伸びをした所為か。
それとも、熱の所為か、体がグラリと揺れた。



「っぶねー。」



それを支えてくれたのは準サンで。
準サン、ありがとー。
倒れて地面とゴッツンコしてたら完全に意識飛んでました。
それってとっても間抜けです、ほんと、助かりました。
そこまでは言わないけれどお礼はしておいた。
準サンはあたしをじっと見て、怪訝な顔をした。



「お前、本当に37.5なのか?」

「だって、体温計が言ってました…。」

「体温計は喋らないぞ。」



ごもっとも。
慎吾さんのツッコミに利央が頷いたのがひっかかる。
利央だってボケボケなのに!
なんかやり返してあげたいが、体が動きません。
いつもならグーパンチくらいするのに!
と、そのとき、いきなり両肩に両手が置かれた。
何事かと思ってあたしは前を見直す。
目の前には、真剣な準サンの顔があった。

コツン



「ん、熱、上がってんじゃねぇのか?」



な。
なっ。
なっっ。

なにしてるんですかぁじゅんさん!

おでことおでこがくっついてる。
顔が、顔が、顔が、近い。
それでもなぜか目を閉じれず、じっと準サンを見てしまう。
あ、やっぱりちょっとタレ目。
あ、意外にまつ毛長い。
って、そうじゃなくてー!



「じゅ、じゅじゅじゅ…!」

「何、何か焼けてんの?」

「…ふしゅうぅぅ。」

「ふしゅう?」



再び体がグラリと揺れて、地面に倒れてしまいそうになる。
それをまた準サンが支えてくれたけど。
意識はさっきよりもモウロウとしてきた。
熱上がった?
いや、熱なんかじゃなくて?
もう、もうもうもう何がなんだか分かんないー!
頭の中、準サンでいっぱい!
きゃああ!



「あ、が壊れた。」















37.5℃
(俺責任もって送ってきまーす)(準サーン、送り狼になんないよーに)(それは保障できないな)(おい準太ぁ!)(いーじゃん、それでこそ男!)(お、おいそうじゃないだろ慎吾!)(据え膳食わぬは男の恥っス)(おーいーこと言うじゃねーか準太!)(おい落ち着け、とりあえずは深呼吸だ!)(一番慌ててんのは和さんでしょお?)




[Angel of love に恐れ多くも捧げます、一応準太夢話]
[まだおお振り始めた頃のお話…だったはず!]