、桐青高校一年生。ちなみに中学校も桐青中学校。家は根っからのキリスト教徒(あたしは、正直、どっちでもいいけど)高校に入学して三日もたたないうちに野球部のマネジとして入部をする。本当は中学校の頃から野球部のマネジになりたかったんだけど、中学の頃はマネジなんて役割は存在していなかったわけだから、無理だった。なぜあたしが野球部のマネジにこだわるかというと、それは…。 「ー、今日お前ん家誰もいないんだろ?」 部活前には必ずあたしの教室まで迎えにきてくれるこの人、高瀬準太。中学上がるときに引越しして、こっちに来たんだけど、お隣さん(ご近所さん)の長男さんだったりする。家が近いってこともあって、あたしたちはよく一緒にいたりする。小学校までの友達なんか当たり前だけどぜんぜんいなくて、中学校に行くのも不安だったけど、準太が励ましてくれたり、色々背中を押してくれたりしたから不安なんてすぐに吹き飛んでしまった!それから、あたしは準太を本当のお兄ちゃんのように慕っている。だ、か、ら、あたしは準太が所属している野球部のマネジに早くなりたかったんだよ。 「うん、二人とも親戚の家に行っちゃったよ。」 「母さんが、うちでご飯食べてけってさ。」 「ありがたくご馳走になりまーす!」 羨ましそうに見ている友達にご機嫌で手を振り、あたしは教室を出て行く(準太はカッコイイから、優越感に浸れたりする)他愛のない話をしながら、廊下を歩く。今日の古典であったトラブルを話したら、準太は口元を押さえて肩を震わせた(ツボに入ったんだろうなぁ、笑い上戸だから)そんな姿を普通はみんなに見せたりしないから、すれ違う人たちがちょっと驚いたような視線をこっちに送ってくる。準太の笑い上戸なところ、あたしはイイと思うよ。笑えるのっていいことだもん。そんなときだった。 「準サァーン!」 煩わしい声が背後から聞こえてきた。その声の主が誰なのか、考えなくても分かる。無駄に大きくてリアクションの大きな…利央がやってきたんだ! 「迎えに行くなら、俺も誘って下さいよぉー。」 「なにが楽しくて男を迎えにいかにゃならねーんだよ。」 笑い終わったらしい準太が利央にサラリと言った。そうだ、そうだ、もっと言っちゃえ準太!あたしは無言のまま、自分よりもはるかに背の高い利央を見上げる。仲沢利央、同じ一年生(クラスは違うけど)野球部でキャッチャー、まぁ、和先輩いるからもちろん補欠だけどねー。大きい体の割に肝はちょっと小さそうな気がする。そして、利央はあたしの敵! 「利央は迅と部活行きなさいよー。」 「は先輩と部活行けばいいだろー!」 利央を見上げるのは、身長差からとっても首が痛くなるんだけど、ここは引けない戦いだから頑張る。だって利央、準サン、準サンっていつも言ってるんだもん。準太もからかいがいのある人けっこう好きだから何だかんだ言っても利央の相手をしちゃうんだ。おもちゃをとられる子どもみたいでカッコ悪いっていうのはあたしだって分かってるけど、嫌だもんね!だから、あたしは利央とはいつもバチバチしてたりする。利央なんかに負けるもんかー。 |