「うわっ、なにうずくまってんだよ!」 「どうした、慎吾…って、どうした!」 「(なんか同じことが昨日あったような…)」 「和さぁーん。」 「(そして俺はやっぱり無視か)」 「とりあえずは、立とう、な。」 「はいぃ。」 「どうした、なんか悩み事か?」 「そう言いながら慎吾さん笑ってるー!」 「笑ってない笑ってない。」 「うそだぁー。」 「(利央並に融通がきかねぇなぁ)準太のことだろ。」 「う。」 「なんだ、準太がどうかしたのか、。」 「準太が、準太が。」 「(喰ってないって言ってたけど、未遂だったんかな)」 「準太が変なんですー!」 - 昨夜の出来事 - 「あー、気持ちよかったぁ。」 「お前風呂好きだな、相変わらずなげー。」 「うん、大好き、幸せー。」 は満面の笑みを浮かべて、そのまま準太のベッドにボフッと飛び乗った。ふわふわの布団が気持ちいい。は持ち主をよそに、そこに横になった。今なら三分もあれば眠れてしまいそうな気がする。そう思いながらは目を瞑る。準太は雑誌を手にしていたが、そんなを見てから雑誌を机に戻した。は今日は準太の家に泊まることになっている。それは三年ぶりくらいだ(もちろん部屋は違うのであるが)空き部屋が準太の部屋の隣にある。そこで寝ることになっている。の、だが。 「、今日こっちに寝る?」 「えー、いいの?準太向こうに行ってくれるのー?」 動かなくてもいいんだ、と単純には喜ぶ。が、突然ベッドがギシリと音をたてた。ベッドが沈む。は目をパチパチさせて体を反対に向ける。すると、近い位置に準太の顔があり、ちょっと面食らってしまった。 「俺も向こうに行かねーよ。」 「あ、れ?」 「一緒に寝ればいーだろ。」 と、突如は準太の腕に閉じ込められてしまった。いきなりのことに思考回路がついていかない。確かに今まで多くの時間を準太と過ごしてきたが、そういう関係ではなかった。本当に兄妹のような、お友達のような時間を過ごしていた。だからこそ、は今困惑していた。こんな準太を彼女は今まで見たことがない。 「じょ、冗談でもこーゆーことしたら怒られるよ。」 「誰に。」 「か、神様?」 「あんまし信じてないくせに。」 「いや、こーゆーのは好きな子に…。」 言葉は最後まで言えなかった。ふいに何かが触れた。それが唇から離れたとき、慌てては唇を手でおさえた。目の前にいる準太は真っ直ぐに自分を見ている。その視線に耐え切れず、は先に視線を逸らした。 「じゃあ、神様にも怒られねーな。」 「えっと。」 「俺が好きなのはだし。」 サラリと言った準太に、の目は大きく見開かれた。呆然としている彼女に追い討ちをかけるように、準太はニッと口の端をあげて笑う。だって俺はのもんなんだろ、と彼は笑って言ったので、次の瞬間の顔は真っ赤に染められてしまった。そういう意味じゃない、そういう意味じゃなかった!そう思いながらもは準太の体を押すこともできず、逃れようともなぜか思えずに、恥ずかしさのあまりギューっと目を瞑った。 「それって、変っていうか。」 「(準太が隠す気なくなっただけなんじゃ)」 「だって、準太、好きって、変ですよぉ!」 「(キスまでされといて変ですますか、普通)」 「それに、それに!」 「落ち着け、それに、なんなんだ?」 「あたしも変なんですよー!」 「(確かにあれだけ態度で表されてこの反応は変だ)」 「わけ分かんないのに、嫌じゃなかったんですー!」 「…。」 「…。」 「突然黙らないで下さいよ。」 「あーもー、お前、とっとと準太のとこ行きなサイ。」 「えー、いったいどうしたらそういうことに!」 「俺もそう思うぞ、準太、待ってるだろうし。」 「あ…そうですね、待って、ますよね…。」 「もう一度準太と話をしてみたらいいと思うぞ俺は。」 「…はい、そうします、ありがとう、です。」 「ふー、利央といいといい、七面倒な奴らだな。」 「…利央が知ったらショックだろうな。」 「今更だろ、まぁ、もう少し黙っておくか…って!」 「和さぁぁん!」 「り、利央!」 「わぁぁぁん、和さぁん!」 「(よりによって、聞いてんのかよ…おいおい)」 |