「明けましておめでとうございます!」



ドアが開くなり、そんな声が聞こえてきた。深夜0時ジャスト。約束どおりに俺はの家に訪問してチャイムを鳴らした。はにっこりと笑って俺を自分の家に招き入れる。一歩踏み込んでから、俺は慌てて言葉を返した。明けましておめでとう、と(ちょっとだけ、忘れてた)はそんな俺にまた笑って、どうぞ遠慮なく、と家に入れる。特別番組を見てるんだろう、リビングの方からそんな音が聞こえてくる。玄関で靴を脱いでいると、のお母さんが挨拶してきた。俺はまたも慌てて挨拶を返す(未だ緊張してしまうのは、仕方のない話だ)



「準太くんは年越しソバ食べた?」

「あ、はい、家で食べました。」

「そっか、じゃあお菓子でも出すわね。」



お構いなく!と言ったけどのお母さんはにっこりと笑って、部屋に持っていく、と言った(相変わらず柔らかくて優しい人だなぁ…美人だし)思わず後姿を見ていると、パチリと背中がたたかれてしまった。振り向くと、が少しだけ頬を膨らませている。俺はそれを見て笑うと、頭を撫でてやった。将来もあんな美人になるんだろうなぁ、と言うと、は恥ずかしそうに顔を背けた。部屋に向かう途中にのお父さんに出会ったけど、お互い一瞬の間の後に頭を下げた(俺は、とりあえず精一杯の挨拶をしておいた)未だに、のお父さんからの視線は痛い。



「外寒かった?」

「さびーよ!雪でも降るんじゃねぇか。」



エアコンが既につけられていたらしく、の部屋は温かった。俺は着ていた上着を脱いで、まぁ適当にたたんで置いた。そうこうしているうちにのお母さんがお菓子とジュースを持ってきてくれた。外はマジで寒かったから、この温さがほんと心地いい。俺は手を伸ばして、持ってきてもらったお菓子をとって袋をあけた。



「集合時間は何時だったっけ?」

「えっと、確か1時だったと思うけど。」



1時に神社近くにあるコンビニに集合して、野球部のメンバーの一部と初詣に行くことになっている(俺としてはと二人で行ってもいいんだが、むしろ、そっちの方がいいんだけど)の家から集合場所は近くて、俺は迎えに行くついでにん家で暖をとらせてもらうことになったわけだ。初詣、と、いえば着物、という発想もあるんだけど…どうやらはそんな考えは毛頭ないらしい。普段着だ(だけどスカートだったりするから、まぁ、良し)



「じゃあ、0時50分には家出ようね。」

「あぁ、そうしよーぜ。」

「あと40分あるねぇ…あ!」



とつぜんが大きな声をあげた。何事かと思っての視線を追うと、窓からチラホラと白い雪が降っているのが見えた。最悪だ。雪が降るほど寒いってのか、外は(そりゃあ降りそうだなぁとは思ってたけど)それでも、初詣が中止になることはないだろう、このくらいの雪じゃ。寒いだけ。寒いだけ。ちょっと落胆した俺だが、はまるで見惚れるように窓から雪を見ている。冬に雪が降るのはおかしくはないし、珍しいもんでもないと思うけれど…。



「雪だねー、キレイだねー。」



振り向いたがあまりにも可愛く笑うもんだから、雪に落胆していた俺は毒気を抜かれてしまった。単純に純粋に、寒さとかは関係なく、は雪をキレイだと思ってる。まるで小さな子どものように。雪なんて寒いし、冷たいし、野球はしにくくなるし、そんなもんだ。だけど。



「そうだな。」



寒いのはあまり好きじゃない。雪だって、あまり好きじゃない。それでも、ただ何も思わずに、喉からこんな言葉が出てきてしまった。それはきっとのせいだ。俺は再び窓から雪を眺めているのところまで歩いていって、腕を軽くひっぱった。こっちを向かせて、その視界を奪ってやる。俺はゆっくりとに顔を近づける…そして唇は…。



ちゃーん、入ってもいー?」

「「はいぃぃぃ!」」



触れなかったり、する。












(・・・)(・・・)(…また、後で、な)(…え、あ、えっと…うん)





コメント

あまり新年夢話にはなってません。
ただ、あけおめ、をいれただけだぁ。
いろんな準サンを書いてみたいですが。
こんな可哀想風味な準サンでもいいでしょうか。
フリー夢話にしようと思ったけど。
こんな駄文じゃナンなんで、またの機会にー。