8.


















「榛名…なんか変なものでも食べた?」

「食ってねぇよ!」



いつものことになってしまっている、一緒の登校(帰りもだが)学校に着いてからが、顔をしかめて俺に聞いてきた。誰が変なものを食ったっつーんだ!俺は野良犬かなにかか!そう言い返してやるとアッサリと頷きやがった(俺は犬と同じかよ!)だいたい、俺のようすがおかしーのは、他の誰でもないのせいだ…っても、勝手に寝てる奴にキスするような理性の欠片もないような男は俺だが…。そのおかげで、いつもは文句のひとつやふたつやみっつでも言ってやるのに、今日は一言も文句言えずに後ろに乗っけて学校まで連れてきてやってしまった。



「そっか、朝練ないから調子狂ってるんだ。」

「(呑気な奴だな、俺に…奪われてんのに)」



無論、言えるわけはないが。いつもなら、からかい95%で腕まわさせたりするわけ(残り5%は男としての下心)だが、今日そんなことをされたら俺が混乱してしまいそうだ。自転車事故で負傷…なんてシャレにもなんねぇ!ぜったいにごめんだ!とりあえず、冷静になって、チャリをとめてきた。こういうときに限って、なぜか誰もいなかったりする。いつもウゼーくらいに誰かが駆け寄ってきたりするのに。



「今日の一時間目って、英語だったかな。」

「…おぅ。」

「二時間目はなんだったっけ。」

「…おぅ。」

「榛名、私の話聞いてないでしょ。」

「…おぅ。」



―――バコッ

いって!今、今、今、なんかすげー固いもんで頭殴られた気がするんだけど!俺は頭を押さえながらを見る。はなんか怒ってるような顔で、手には携帯電話があった(いつか俺をボク殺する気なんじゃ…!)あきらかに思い切りやられた気がする。



「なにボーッとしてんの、ケガするよ!」

「しねーよ!」

「ぜったいする!」

「お前、縁起でもねぇこと言うな!」



なんか、いつも通りの展開になってきた気もする。こうなると、俺もいつも通りになっていくわけで、これはこれで変に怪しまれることはなくなってきたんじゃないかと思う。歩きながら言い合いをしている俺ら。



「だいたい榛名は…わっ!」

「おい、あぶ…「大丈夫?」



だいたい榛名は…とか言って俺に説教をしようとしていたは、こともあろうか自分が段差につまづいてこけそうになっていた。俺は慌てて手を伸ばそうとしたけど、俺よりも先に反対から歩いてきた誰かには支えられてしまった(なんとなく、ムッとするのは、相手が男だったからか?)は、すみません、とか俺には見せないようなしおらしさを見せて謝ると、相手の男はなんかデレッとした感じがした。



「だいたい榛名は…なんだって?」

「…ッ、性格が悪いのよ!」



バシコン!って感じのいい音がして、今度はコイツ…カバンで俺の頭を殴りやがった。ケガをするなら、それはぜったいにお前のせいだ(今度のテストの点が悪くなってたら、ぜったいにのせいだ)…あれ?でも、なんか違和感ねぇ感じがするよな、こういうの?



「(つーか、気がついた時点で俺、終わってんじゃん)」



なんか聞こえてくるなぁ、程度に思いながら授業を受けながら俺はの後姿をぼぅっと見ていたりする。基本、は真面目に授業を受けている。首を傾げてたけど自分で納得したのか小さく頷いてみたり、確認するためなのか隣の女に聞いてみたり、当てられたときにキレイな返事をして立ち上がったり…なんか、俺、気づいたのは昨日なくせにどっぷりはまってねぇか?"あれ、榛名の彼女?" "違います"俺の彼女かって聞かれて、は全て即答で違うと返してる。つまり、俺のことそういう対象として見てないってわけだ。



「(…なんっか、やっぱり俺振り回されてるだけじゃん)」



いい度胸だ、ほんと。なんかムカつく。つーか、にっていうよりも、にこんだけ考えさせられてる自分にムカつく。それでもの方を見ていたら、俺の視線に気がついたのか、俺の方を向いた…気がする。そうじゃないかもしんねーけど、俺は慌てて視線を机に向けた(黒板じゃないのが俺らしいとこだ)思わず出てくるのはため息で、なんか、俺らしくない。



「…厄介な問題だ。」

「うん、それを榛名くんに解いてもらいたいんだよ。」

「うぉあ!」 ←名前呼ばれてたのに気づいてない人

「(なにやってんの榛名ってば)」 ←見てた人

























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「おつかれーっした!」



今日の授業は散々だった。英語も現国も数学も当てられるし(全部分かんなかったし!)部活ではケガしちゃシャレになんねぇから気を張ってやったら、なんかいつもよりもめちゃくちゃ疲れた気がする。今日は自主練もやめにしておとなしく帰ることにしよう。帰ってやろー、その方がいい気がする。



「あっちぃ!マジあちーなぁ!」

「つか、ここで脱ぐなよ、マネジに怒られっぞ。」

「つーか、ちゃんに悲鳴あげられたらどうするよ。」



暑さに我慢できなくなったのか、部室に行く前に先輩が水のみ場でユニフォームを脱いだ。そりゃ、もしもが見たなら悲鳴をあげるだろう。だって、だ。俺の上半身裸見てもかなり顔赤くしてたからな(ウブだ、ウブ)が、そういうタイミングで人って現れるわけで…お約束通りにが現れたわけだ(はもうマネジみたいに手伝ってて、歓迎されてる)



「わっ!」

「おっ、噂をすれば影。」

「脱ぐなら部室でお願いします、驚きましたよ。」



思ってた通り、驚きの声をあげた。だけど…あれ、俺の予想とは違ったわけだ。顔を思い切りそらしたり、嫌そうな顔をすると思ってたんだが、そうじゃないらしい。驚いたけど、ただそれだけ的な反応だ(なんなんだよ、俺のときはすっげー反応してたくせに!)先輩は笑いながら謝って、でもそのまま部室へと走っていった。部活終了時間だから明るくはないわけだけど、電気があるから顔だってよく分かるわけだ。俺が上半身裸だったときは、すっげぇ反応してたのに…差別か?



「…ちょ、アンタもなに脱ごうとしてんのよ!」

「いでっ。」



俺は、腹少し見せたくらいで殴られた(なんなんだこの違いは!)差別か、差別なのか?嫌そうな顔で、プイッとは顔をそらしてしまった。そうだ、この反応だ!腹立たしさを感じながらも、俺も部室に行って着替えてくる。自主練今日はなし、とに言うと、やっぱり変なもの食べたに違いない!と大袈裟なことを言ってきやがった!



「…つーか、そんなんじゃ転がるって言ってんだろ!」

「き、きぁぁ!」



帰りもいつもみたいな感じだった。そんなに軽く服を掴んでるくらいじゃ、いつかぜってーチャリから転げるって言ってんのに!いつもは見せないくせに、こういうときだけ恥じらいっぽいものを見せやがる(狙ってんのかよ!そのギャップが、ちょっとイイとか思っちまうだろ!)ほかの奴だったら、すみません…じゃあ、とか言って腰くらい掴んでそうだ。なんだよなんだよなんだよ!なんかムカついてきた!チャリを置いて、玄関のドアを開けようとした…が、なぜかカギがかかっていた。また出かけやがったな、あのババァ!仕方なく、カバンに入れっぱなしのカギで開ける。



「あー、あちぃ、なんか今日蒸すなぁ。」

「だ、から、目の前で服を脱ごうとするなぁ!」



バシッとまた音をたてて、俺はカバンで殴られる。いつもいつも人をサンドバックみたいにバシバシ殴りやがって…いくら俺がこいつのことを、好き、だとしてもいい加減には仕返しくらいしてやりたくなる。ヘッドロックでもかましてやろうかと思って振り向いたら、思った以上に赤い顔をしているに思わず見惚れてしまいそうになった(やべぇ、可愛い…とか、思ってどうする!)俺は片手で口元をおさえながらも、なんか誤魔化せないかと思って、言う言葉を考える。



「お、まえ俺ばっか意識して、俺の事好きなんじゃね?」



アホか!それは俺だろ、俺がのこと好きなんだろ!心の中で自分に叫んでみるものの、言った言葉は取り消すことはできない。なんてなー、とか言って誤魔化すしかない。今の俺はこれ以上喋ると、俺はお前が好きです、ってなんかボケツほりそうな気がする。乾いた笑いで顔をあげたとき、俺は目を見開いた。



「なっ…なに言って…!」



は俺の予想とは違い、ますます赤い顔をしていて、今にも泣き出してしまいそうな顔で、いや、すっげー可愛いんだけど、なんか…えっと、いや、ちょっと待て?ちょっと、落ち着こうぜ、俺ッ!



「え…、もしかして…。」

「…ッ!」



俺のこと好きなのか?とか聞く前に、は慌てて靴を脱ぐと、カバンを放り投げて、それを気にせず階段をのぼって自分の部屋へと走って逃げて行かれてしまった。バタン、と大きな音が聞こえたけど、俺はそのままどうすることもできず、ここは玄関だっていうのにヘナヘナとしゃがみこんでしまった。待て、待て待て待て待て?これって、これって、もしかして、もしかするのか!?













(やべ…なんか脈がすげーはえぇ!)




アトガキ

宣言通りの急展開です。
夢主ちょっとツンデレ意識です。
よく分かんないけど、流行でしょ?
え、違う?