「そ、それって本当なの!」



準太の家から学校へ初登校。何事もなかったように普通に徒歩で登校(徒歩で15〜20分、ラッキーだ)途中で出会った友達に、おはよう、と挨拶を交わしながら一年二組の教室のドアを開いた。そこには半数くらいの人がもう来ているみたいだった。一番に駆け寄ってきたのは親友のだった。昨日はどこに泊まったの!と慌てた様子では言ってきたので、準太のことを話した(ら、こういう反応が返ってきた)



「本当だよ、しかも学校に近くてラッキー!」

「ラッキーとかの問題じゃないでしょう、男の人と…。」

「準太は危ない人じゃないよ、だいじょーぶ。」



その自信はどこから出てくるの、と言われたのでいろいろと話をしてあげた(おばあさんを助けてあげたこととか、心配してコンビニについて来てくれたこととか)は長い長い溜息をついたものの、出て行きなさい、とは言わなかった。安心したのか、もしくは、あたしの頑固さからか(多分、後者だと思われる)そんなことを話しているうちに、チャイムが鳴って担任の先生が入ってきた。昨日、準太が言ってた変なノリの先生こそが、実はうちのクラスの担任だったりする。だから、けっこうイベントは盛り上がってたりするんだけどね。



「へーい、じゃあ出席をとるぞぃ。」



二十代のくせにやけにオヤジくさい、が、あたしはなかなかこの先生のことを好いていると思う。まず、生徒への理解心は充分もっていることに拍手。課題が少ないことに更に拍手!一人で勝手に心の中で拍手を送っていたら、呼名されたので元気に返事をしておいた。佃、鳥本、と続いていく。そんなとき、制服のポケットに入れておいた携帯がブルブルと震えた。あたしはこっそりと机に隠れて携帯を開く。メール一件、高瀬準太。そうあった。"練習があって今日帰るのがたぶん8時くらいになる。夕飯は好きなのを買って食っといてくれ、後で金やるから。"そういえば、準太は何か大学でやってるって言ってた、けど、何をやってるのかはよく聞いていない気がする。



「(お金はいらないよ、と)」



そう返事を送ってみたけど、すぐに返事が返ってきて、子どもが遠慮すんな、とあった。子どもって言いますけど、準太とあたしは年の差5歳ですからね、小学校は同じ地区だったら重なってたんだからね!そう返事を送ってやろうと思ったけど、なんだか堂々巡りのような気がしたのでやめておいた(もしかしてあたしって、準太より大人なのかも!)携帯を閉じてポケットに戻したと同時に起立の号令がかかり、あたしは慌てて立った(よかった、出遅れたりしないで)気をつけ、礼、という合図に合わせて頭を下げる。先生が教壇を下りた瞬間、教室がワァとざわついた。



「で、住ましてくれる人ってどんな人なの?」

「高瀬準太って人で、大学生で思うにかなりお人好し。」



短い休み時間にが朝の続きを聞きに来た。一応は誰にも聞かれないようにして、あたしは答えた。家出をしているなんてことが他の人にバレたら、もしかしたら先生の耳にも入ってしまうかもしれない。強制送還だけはぜったいに嫌だしね。とりあえず、期限が過ぎるまで準太の家に住ませてもらわなくちゃ。



「たかせじゅんた?」

「うん、偶然にも同じ名字だったんだー。」

「…どっかで聞いたことがあるような。」



同姓同名がいるんだろうか、まぁ、ぜったいにいないとも言い切れない名前かもしれない。あたしは特に重要視はせずに、そーなんだ、と言っておいた。別に重要なことじゃないことは確かだ。それよりももっと重要なことに気がついた。一時間目の英語の宿題を昨日やり忘れていた!準太の家に強制的に住むことを決めた騒動でそれどころじゃなかったんだけど(って、いっても実はコンビニから帰ってテレビを見ながらゆっくりご飯食べてたりしたんだけど)仕方ない、今からやるかな。そう思ってに告げると、もやってないことを思い出したようで必死になってあたしのノートに視線を向けていたりする。

























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なんだかんだで平和に学校の時間が終了した。部活に入っていないあたしは好きなように放課後を楽しむことができる。とりあえずは、帰りにデパートに寄って必要なものを買って帰ろう。準太の使っているシャンプーはけっこう自分にも合ってたけど、あたしは髪が長いから消耗が早そうだ(新しいのを買っておこう)それと、肌着類とか洗濯ネットとか便利グッズも欲しい!そういえばノートが一冊欲しかったんだよね。あとあと、今日の夕ご飯は何にしようかなぁ…。



「そうだ、作ればいいんだ。」



8時なんて別に待てない時間じゃない。住ませてもらってるんだもん、ご飯の準備とか掃除とかはしなくちゃね!そうと決まれば…初心者さんのお料理、という本を本屋で購入。そして、あたしはに前々から聞かされていた安いスーパーへと移動をした。料理なんて調理実習でしかやったことないけど、家庭科の先生には筋がいいと言われたことがある(お世辞じゃない、と思いたい)とりあえず、初日である今日は基本中の基本、カレーライスを作ることにしよう。そう思って野菜売り場を歩き回ってみたりする。えーと、人参、ジャガイモ、玉ねぎ…。



「意外と簡単にできるもんだね!」



買い物を済ましてから家(準太の)に帰ってもまだ6時にもなってなかった。あたしはゆっくりと時間をかけてカレーライス作りを行った。味見をしてみると、なかなか、初めての割には食べれるものができている(甘口とか中辛とか辛口とか、どれがいいのか分かんなかったのがやられたけど)今日は甘口と中辛を足してみた。だって、あたしあんまり辛いカレー得意じゃないし…でもこれって、やっぱり準太の好みに合わせた方がよかった気がする。まぁ、なにはともあれ、ご飯もちゃんと炊けた(お米の置き場所探すのに30分くらいかかったぞ)準太はたぶんスポーツマンだと思うので(練習で遅くなるってあったし)バランスが悪くなったらいけないので、サラダも作ってみた。野菜を切るときに、まだ微妙に慣れてないので四回切ってしまったけど、大したことはない。あたしは満足気に出来上がったものを見たあと、時計を見上げた。時刻は8時ジャスト。そんなとき。



「なんか、いい匂いがする。」



準太が帰ってきた。準太はあたしを見ると、おわ、と声をあげた(昨日からあたしがいるのを一瞬忘れてたんだろう、すぐに思い出したみたいだけど)おかえり、と笑顔で迎えてみると、準太は頬を少しかいて、ただいま、と言った。あぁ、いいなぁこういうの、温かい家庭って感じがする(これが普通なのかもしれないけど)あたしは心地よさを感じてしまった。準太はキッチンにきて鍋のふたを開けた。



、カレー作ったの?」

「サラダにご飯もちゃんと炊きましたよ。」

「…悪かったな。」

「ううん、楽しかったし、これからも頑張るからね!」



そう言うと準太は大きな手であたしの頭を撫でた。お兄ちゃんに撫でられたみたいで、少しくすぐったい。それからお金を、と出そうとするのを必死でとめた。ただで泊めてもらうなんて悪い。悪すぎる!あたしがそう言っても準太は強引にお金を渡そうとしてきた。食費くらい出さなくちゃ、あたしだって気がすまないよ。だいたい、あたしはお金を持ってないわけじゃない。こーゆー日のときのために貯めておいたお小遣いがけっこうあるわけだ。あの父親のお金なのが気になるところだけど。



「家を借りるときは普通、敷金礼金とかもいるでしょ。」

「俺は不動産屋じゃないからそういうのないし。」

「でもタダで住ませてもらうわけにもいかないの!」

「俺はから金をとるわけにはいかないの!」



こりゃまた堂々巡りになりそうだ。でも、お金の問題って重要だから簡単には譲れない。あたしたちはしばらく見合っていたけれど、どちらからともなくお腹の虫が声をあげてしまったので少しの沈黙のうちに大爆笑してしまった。とりあえずは飯を食うか、と言われてあたしも頷いた。準太は二杯たいらげて、美味い、と言ってくれた。人のためにご飯を作ったことのないあたしにとって、その言葉はものすごい嬉しい言葉だった。












(次は何を作りましょうか?)




アトガキ

どーゆー展開?
発展してるの進展してるの?
考えてる本人が分かりません。
あんまり準サンが出てきませんでしたね。
次は準サンメインのお話で。