25.













西浦VS崎玉の試合が始まった。っていっても、もうすでに2回表だったりする。先頭バッターの小山っていう人を打ちとって、いよいよメイン的なバッターの順番になった。あたしもドキドキしちゃうけど、それでも隆也から聞いてるから…。



「ピッチャー、勝負しろー!逃げんなー!」



わぁお、ヤジられてるヤジられてる。5番キャッチャー佐倉がバッターボックスにはいると、隆也は作戦通りすかさず敬遠をした。佐倉に期待をしていた分、周りからの反応もいろいろで(特にあのおじさんのヤジ凄いなぁ)それでも隆也は平然と立ちあがっている。三橋もそれに応えてる。けっきょくはファーストを踏ませたけど、次のバッターでダブルプレーにしてチェンジ!



「けっこうヤジられたな。」

「隆也の思惑通りだね、三橋へーき?」

「う、うん、平気…。」



言葉の通り、三橋は意外と平気そうだ。よかったよかった。隆也はちょーっと捻くれてるところあるから、こんなの全然気にしないけど、三橋は気にするかもしれないとちょっと心配だったんだ。隆也はニヤーッて笑う(わぁ、凶悪面だ!榛名サンのこと言えないかんね!)



「この回も点入れて追いこみかけるぜ、どんどんヤジひどくなっけど、それで成功なんだかんな。」

「あははッ、隆也性格悪い、極悪だぁ!」

「…。」

「いだだだだだ!」



ニコッて笑って言ったのに、無言のままに頭をゴリゴリされた(ものすっごい痛かった)頑張って逃げて、泉の後ろに隠れてみた。けど、泉にもコンッて軽く叩かれてしまった(すみません、試合中騒いですみませんKYでした!)まぁ、そんなこんなで試合は進んでいくわけであります。



「2回は1点でしたねー。」

「そうね、もう少し欲しかったな。」



巣山が言うには、崎玉の投手の市原のスクリューの方があたしよりも大きく変化するらしい(うん、近くで見なくちゃよく分かんないけど、たぶんそうだと思う)ってか、あたししばらく投げてないから前と比べて違う風になってるのかもしれないけど。でも、スクリューの変化が大きいのはそれだけ腕を捻って投げてるからだよ。あんまり投げすぎると肘、腕を痛めてしまう。…って、さっきお父さんの声聞こえたんだけど、お父さんも来てるのかな。声おっきーなぁ。



「打者としては一流だけど捕手としてはイマイチだなぁ。」

「え、向こうの捕手のこと?」

「なんか勿体ないなーって。」

「そりゃあ、阿部くんずっと見てたら物足りないかもね。」



監督はそう言ってクスリと笑った。身内としての贔屓目もあると思うけど、隆也は捕手としていい線いくと思う(その割に体格がついていかないのは惜しいかもしれないけど、でもお父さんみたいに大きい隆也も想像できないなー)そんなとき、花井がアウトをとられてベンチに戻って来た。監督は今日、花井にかなりプレッシャーをかけている、と思う。田島がケガしてるから、ある意味の好機だと思ってるのかもしれない。花井はきっと田島を意識している。うん、たぶん。



「向こー調子に乗せんなよ!きっちり守んぞ!」



4回、崎玉の攻撃、つまりこっちは守備に入った。監督は走って行った花井の後ろ姿を目で追っている、ように思える。花井は上手なんだ。三橋との打席勝負のときは上手く隆也の戦略にのみこまれちゃったけど、あたしから見ても花井の打力は田島の次だと思う。だけど、自分の前を歩く田島との距離が大きいと思っているに違いない。



「(田島くん並だけどちゃんは女の子だし…)」

「ほ?なんです、監督?」



うーん、と考えていると、監督の視線が自分に向けられていることに気付いた。なんか一瞬だけどジッと見られていた気がする。真面目に見てますよ、と慌ててスコアブックを見せる(この前頭グリグリされて痛かった、隆也とガッチンも痛かった)



ちゃんは女子野球しようと思わなかったの?」

「女子野球ですか?」



一応周囲を見渡してみる。隆也は捕手位置についているし、ベンチにいる西広もせっせとなにかしているから聞こえないよね。あたしは実は、隆也にも内緒にしていることがあったりするんだ。秘密ですよ、と人差し指を口に当ててあたしは話す。



「――高校とか――高校から誘いはあったんですよ。」

「え、そこって女子野球で有名なとこじゃ!」

「でも県外だし、隆也と離れちゃうから断りました!」



女子高だし、学校一緒じゃないと隆也が野球してるのを、応援もお手伝いもできないし。でも、これは隆也には言ってない。だって隆也もけっこう気にする人だから、いろいろなんか言ってくるかもしれないもんね!隆也は真剣に三橋を見てる。さーって、しっかり投げてよー三橋!



「(阿部くんもかもしれないけど、ちゃんって…)」

「監督、始まりますよー。」

「えっ、あっ、うん!」

























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そーこーしている間に6点目が入った(いや、ちゃんと応援してますよ!)でも、花井はまだ悩んでいるような気がした。ケガで本気で打てなくても、4番じゃなくても、田島は自分のできることをしっかりとこなしてる。あまりにもソツなくこなしちゃうもんだから、それが花井をジワジワと追いやってしまうんだろう。だからこそ余計に、花井は力んでしまうんだ。



「ストライーック!」



花井はかなりの力を三振をしてしまった。あー、なんだからしくないよー花井。三振するにしても、そんな雑な振り方じゃないもん。花井は一瞬とても辛そうな顔をしていたけど、すぐに顔を戻してベンチに戻って来た。なんか声をかけようかな、と思ったけど、その前に花井は三橋に声をかけた。



「わりーな三橋、7点目入れてやれなくて。」



花井の言葉に三橋はキョロキョロしてて、その言葉の相手が自分しかいないことに気がついて焦ってるみたい。かなりのキョドりっぷりだ(隆也が相手だったらまた戦闘だぞー)



「オ、オ、俺…バント、できなくて…。」

「お前じゃねー、俺がチャンス生かせなくてって言ってんの。」

「オ… 「お前じゃねぇっつってんだろ!」



ちょ…ちょっとビックリしちゃったよ花井。いきなりの大きな声に、ちょっとばかし聞き耳たててたあたしでも驚いてしまった。三橋はその後隆也と審判に呼ばれて焦り95%で走っていった(残りは恐怖と不安だぁ)花井はフォローもいれられずかなり煮え立ってるみたいだ。怒りとかじゃなくて。話しかけた方がいい
?いやいや…そう簡単に…。

―――ガンッ!



「痛いッ。」 ←歩いていて壁に当たった

「な、なにやってんだ…。」

「(あら、丁度いい具合にほぐれたみたいねぇ)」



監督の心の声など分かるはずもなくて、あたしは一人頭をよしよししてみる(本当に痛かった!)って、三橋は大丈夫…だよね?うん、前みたいにウジウジはしないよね!と、考えている間に先頭バッター7番はいきなりバントをしてきた。まだ誰もベースにいないからセーフティバント狙いなんだろうけど、今まで見る限りそんなことできるような足があるようには思えない。球の先には田島がいる…もしかして!



「三橋、来い!」

「ファースト、間に合う!」



田島は三橋に上手い具合に球を渡して、三橋は一塁へ送る。ここは上手く凌げたけど、足の速さなくしてのセーフティバントってことは、向こうもなにか考えてのことだろう。…田島の怪我、バレてるよね。案の定、次の打者も田島狙いだ。田島が出たことで一塁が空き、穴を埋めるために栄口が動いた。だけど距離があ
る!



「投げんな田島!」



栄口の言葉に田島は球を持ったまま走った。そしてスライディングで一塁を踏む。わずかに田島の方が速かった。これでツーアウト!そして次の打者は市原、高くあがったファールをナイスプレーで田島が捕った!



「田島ナイス!スッゴい!」

!俺かっこよかった!?」

「かっこよかった!」

「うしし!」



5回裏、西浦の攻撃になった。四球で巣山が出塁して、隆也の番になった。そこから、市原の猛攻撃が始まる。連続スクリューだ(肘を痛めちゃうよ!)



「あー、肘に悪い。」

「あら、相手投手も心配?」

「あたしも前、肘じゃないけど体壊したことあるんで。」

「(壊したことある?完璧なフォームなのに?)」



今思い出してみると、あれはやっぱり無茶苦茶だったなーって思える。あのときの隆也のあの顔は、今でも覚えてるし、あのときの怒鳴り声も覚えてる。あの頃と比べたら、今の自分はちょっとしっかりしたなぁ、なんて自分で褒めてみたりするんだ!あ、試合の方しっかり見なくちゃね!











狙え、コールドゲーム!
あれれ、なんか監督に見られてる?











後書

すみません、かなり久しぶりです。
これ考えるのに半年かかりましたよ!
あまりにも久しぶりすぎるので可笑しいです。
変になっちゃいました、ごめんなさい!
また日を改めて修正しまーす!

今回は花井くんが一応目立つかな?
でもかなり省略してるので、
意味が分からないことが多いでしょうて。
上手くならないなぁ…。