今の言葉をもう一度武蔵野第一高校には、ものすっごいピッチャーがいるらしい。夏に向けての対策が話される中、監督が秘密の経路で入手したというビデオを先輩マネジ(タオカ先輩)が持ってきた(あたしもマネジだし、勉強しなきゃね!)今日は日曜日で、もう部活は午前中までで終わったんだけど、タオカ先輩とあたしと、準ちゃんと慎吾さんと和さんと利央くんは自主的に残ってビデオを見てみることにした(監督の秘密の経路で…って、すごく気になるんだけどなぁ)「武蔵野第一って、無名校だぜ?」 「…フンッ。」 「あれ、利央くんどうしたの?」 「あぁ、利央は榛名が嫌いなんだとさ。」 準ちゃんに、どうでもいいような顔されて言われた利央くんは、なんだか怒っているようで準ちゃんに抗議をしていたけど、やっぱりいつものように最後は苛められていた(優しい苛め方だけど、あれ、優しい苛め方ってなんだろ?)すっごいピッチャーは、榛名元希さん、というらしい。なんでも、うちじゃない高校の練習試合といえど、一点も失点を与えなかったどころか、三振がほとんど、すごいや!榛名さんが比較的大きめに映ると、先輩マネジは黄色い声をあげた。 「やだ、カッコイイじゃない!」 「目つき悪いだけじゃないの、榛名って。」 「いやいや、あのツリ目がたまらないわー。」 「それって、準太にケンカ売ってる?」 「…慎吾さん、俺がタレ目って言いたいんですか?」 まぁ、準ちゃんはどっちかっていうと、つりあがってはいないよね、目は。二人のやり取りが面白くて、ビデオ見ながらもあたしは小さく笑ってしまった。榛名さんはすごかった。球が、速いの。準ちゃんとは違うタイプのピッチャーだなぁと思った。あたしはまだまだ野球に関して勉強不足だから、もっと勉強しないといけない、って思いました。 「榛名さんすごいねぇ、実際に投げてるとこ見てみたい。」 「…強ければそのうち見れるだろ。」 自主的ビデオ鑑賞会も終わり、帰宅時間になった。いつものようにあたしは準ちゃんと一緒に帰り道を歩いている。ビデオも見たことだし、榛名さんの話を出してみたけど、なんだか準ちゃんは素っ気無い気がしないでもない。同じピッチャーとして、なんか思うことがあるのかな(デリカシーなかったかな、あたし)いきなりあたしは準ちゃんに手を掴まえられる。その力は、弱くはない。ビックリしたあたしだけじゃなくて、準ちゃんも少しの間、喋らなかった。いけなかったかな、と自然に話を変えよう、と思っていたとき、準ちゃんが先に口を開いた。 「は…あぁいうのがタイプなのか?」 「へっ?」 「いや、タオカ先輩も、榛名カッコイイって言ってたし。」 確かに、タオカ先輩ちょっと興奮してたね。榛名さん、身長も高そうだし、体格も良さそうだし、なんだか男の人ーって感じがしたし。準ちゃんは、今のやっぱなし、ってバツの悪そうな顔をして言ってきたけど…。 「準ちゃんが、一番カッコイイよ。」 準ちゃんは、え?と声をもらして瞬きを数回していた。あたしは、ずっとずっと準ちゃん見てきたもん。試合だって、見に行けるときはぜったいに見に行ったよ。だから、準ちゃんが投げてるところもたくさん見てる。負けても、勝っても、準ちゃんは一生懸命に投げていて、準ちゃんはカッコよかった。だから、安心していいんだからね(あれ、なんだか握られてる手の力、もっと強くなった?) 「(幼馴染のあたしでも…今は、本当ドキドキするくらい)」 「(ちょっと待て、今の言葉もう一回言って!)」 今の言葉をもう一度 ((なんか…今頃恥ずかしくなってきた!)) title by 恋したくなるお題 |
| Designed by ring finger : △Page Top |